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痛みを乗り越えて

梅雨が本番になりました

リウマチの利用者様にとって
地獄のような季節です

今日の夕方の利用者さまは
身体1、30分のおむつ交換ですが
痛みが酷いため、かなりの配慮が必要ですので
どうしても時間はオーバーしてしまいます

一日一回、歯磨きのために
ベッド上に座っていただくのですが
痛みが酷いため、介助をしても
なかなか起き上がることができません

家族の方は同居しているのですが
高齢のご主人と、働き盛りの息子さんの3人暮らし
食事も寝かせたまま与え、排便をしてもオムツ交換するだけで
お湯で拭いたりなどされないそうです

ずっと寝かされたままなので
この2年間、一度も外へ出たことがないそうです
利用者さまの手足は痩せ細り
筋力も衰え、座っても維持する力さえなくなってきています

つい先月くらいまでは
起きて料理を作ってみたい、が、夢だったのですが
「座って歯磨きがしたい」
・・・が最近の目標になってしまいました

起き上がりたいのに起きれない
汗をかいても着替えることすら自分で出来ない
情けないよ・・・


週のうち3回、訪問させていただいているのですが
利用者さまの思いが痛いほど胸に突き刺さってきます

「今日は、起きたいな、起きれるかな・・・?」

起こしたい
座らせてあげたい
笑顔が見たい
その一心で、私は利用者さまの体に手を添えました

「良かった・・・ ありがとう!!」

しかし、歯ブラシはなんとか握れたものの
コップを持つことが出来なくなっていたのです

「やっぱり無理かな・・・?」

私は利用者様が倒れないように右手で体を支えながら
コップを持って、利用者さまの口に運びました

「ありがとう、よかった、でも、情けないね・・・」

頑張りましょう
決して諦めないで一緒に頑張りましょう
いつの日か きっと思いは叶えられるはず

痛みを乗り越えて
いつか本当の幸せが心に灯ることを願いながら・・・

# by sawayaka37 | 2009-06-22 22:29

男性利用者さまへの対応・・・

この仕事をしていると
たくさんの利用者様との出会いがあります

大変なこともありますが
心が癒されたり
元気や勇気をいただいたり
得るものの方が多いような気がします

私の担当する利用者様は
ほとんどが女性の方ばかりなのですが
今年になって、数名の男性利用者さまを
任されるようになりました

その中のお一人なのですが
とても明るく前向きな聡明な方で
趣味はカメラ、陶芸、音楽鑑賞など、
他にもいろんなことに興味を持たれるアクティブな方がいます

幼少の頃に高熱で障害が残り
ずっと車椅子の生活をなさっている方なのですが
不自由さを微塵も感じさせません
身の回りのことは全てご自分でされていて
車の運転も自分でなさいます
ヘルパーの援助内容は調理と浴室の掃除だけです

毎回いろんな話題で、ヘルパーを楽しませてくれ
うちの事業所でも人気がある「癒し」の方なのですが
最近、ちょっと困ったことになってしまいました

利用者さま(以下、Nさん)は、とても優しくて
ヘルパーへのリップサービス?も最高です

「僕とあなたは、相性がいいね」
「とっても笑顔がいいね」
「あなたと話していて楽しい」

聞いていてむずがゆくなるような言葉ですが
Nさんなりの気遣いだろうと想って
素直に笑顔で返しておりました

が、しかし・・・
ある日ため息をついて何か物思いにふけっているNさん

「あなたみたいな人が、一緒に住んでくれたらいいのに」
「本当の気持ちだよ、休みの日はウチにおいでよ」

「あはは・・・ Nさんったら~」
笑ってその場をやり過ごす私

そしてある日
背後からNさんの強い視線を感じたけれど
気づかぬようにひたすらサービスを続けていました

仕事が終わって、Nさんのそばへ向かっていくと
「あなたはとってもスタイルがいいね~
若い時は、もっと綺麗だっただろうね~」

「綺麗だったかどうかはわかりませんが
シミや皺のない分、今ほど見苦しくなかったと思います、笑。」


あぁ~ 何て会話をしているんでしょう
これじゃまるで
スケベオジサンを交わしているみたいじゃないですか~
最近は会話のほとんどが、こんな感じ・・・
正直、疲れてきてました

そして決定打をくらった前回のサービス

Nさん「あなたのことをみんなが可愛いって言ってたよ」

私「可愛いって? 私はNさんのお友達にはまだ会ったことありませんよ?」

Nさん、カバンから徐に私の写真を取り出しました
いつか撮ってくださった写真でした
そしてさらに・・・

「僕はね、あなたの写真をいつも持ちあるいていて
この間、他のヘルパーさんにも見せたよ(他社)
そしたら、みんな可愛いねって言ってくれた
僕の彼女だよって言ったら、よかったね~って言ってくれたよ」

「毎週火曜日か待ち遠しいよ
毎日あなたが入ってくれればいいのにって思う
他のヘルパーさんにも言っちゃったよ」


うわぁ・・・・・ 冗談よね
他社のヘルパーさんにそんなこと言うなんて
私の立場なくなります、本当に~・・・

帰り際、Nさんは
いつか私を車の助手席に乗せてドライブに行きたいと
笑顔で言われました

そしてぎゅっと手を握られました

(困ったな・・・)

私の対応もよくなかったのでしょうか
いくら利用者様とはいえ
もっと毅然とした態度で接していれば
Nさんの言動も加速しなかったのではないかと
今さらながら後悔しています

これ以上加速して
私が対応できなくなってしまうようであれば
会社に相談して配置転換をお願いしなければならないか
とも考えています

Nさんは60代後半
ご本人さまとの会話でわかったことですが
女性と付き合いたい気持ちが、今最高に強いみたいです

男性の方を訪問する場合は
利用者さまである前に
一人の男性であることを忘れてはならない
そのことを思い知らされたような気がします

どんな経験も、ひとつとして無駄なことはないのでしょうが・・・
これで、またひとつ強くなれるのでしょうか?

でも出来ることなら
こんな経験は、あまりしたくないものです

# by sawayaka37 | 2009-06-14 08:42

新型インフルエンザ

新型インフルエンザの流行は
介護の現場でも深刻な状況になっています

まず薬局・ドラッグストア・100均など、どこへ行っても
マスクや消毒液、うがい薬が手に入らなくなりました
仕事上、状況に応じて必要になるので
大変困っております。。。

現在マスクを着用している人の姿は少数で
近所でもあまり見られないのですが
きっと、いざというときのために買い占める方も
中にはいらっしゃるのでしょう

職業上、手洗いとうがいは、基本中の基本なのですが
最近は神経質なくらいに徹底しています
そして自宅へ戻ったら、まず玄関口で靴下を脱いで上がり
すぐに入浴しています
大事な利用者さまのお宅を訪問するわけなのですから
自分が感染して、菌を持ち込むわけにはいきません・・・

市内で発熱外来が設置される病院は、すでに決まっているらしく
情報によると、もし市内で一人でも患者が出れば
一般診療はなくなって、発熱者と感染者のみの対応になってしまうそうです
もちろん併設されているデイケアサービスも閉鎖になります

その病院が県下でも大きな総合病院だったりするので
一般診療が受け付けられなくなってしまえば混乱を引き起こすでしょう
さらにデイケアサービスを利用されている方は、かなりの人数なので
デイケアに頼っている利用者さまとご家族に与える影響を考えると
問題はかなり深刻です

先日、ある利用者さまのご家族から
相談を受けた内容ですが

もしデイケアが閉鎖になってしまったら、
どうなってしまうのでしょうか?
家族は仕事に行かずに親のそばについていなければなくなるのでしょうか?
デイケアのケアマネージャーは、
ヘルパーさん次第だとおっしゃっていましたが・・・
ヘルパーさんはどのくらい対応してくれるのでしょうか?


事務所に戻って、上司に報告しましたが
上司も、他の仕事でいっぱいいっぱいで
まだ起こってもいない事態を考えている余裕はないとのことでした

お一人暮らしでデイサービスに頼っておられる方は
ほとんどご家族の支援が難しい方ばかりです
私達ヘルパーにデイケアの穴埋めを期待されていらっしゃる方もおられるし
行きつけの病院に通えなくなってしまう不安も大きいです

いったい混乱は、いつまで続くのでしょうか?
今出来ることは、利用者さまに安心してサービスを受けていただくために
最大限の努力をして感染から身を守ることかもしれません

早く安心して暮らせる世の中になると
いいのですが・・・

# by sawayaka37 | 2009-05-25 04:02

主人公

利用者さまとの会話で
心に残る言葉がありましたので記したいと思います



いくつの時が一番幸せでしたかって

若い人から尋ねられたけど

はて、いつだったかな? と、ひとつも思い出せない



幸せって人からもらうものではなくて

心に感じるものなのよね



私はこの歳になって初めて

誰jかに喜びを与えられることが、一番幸せなんだと思うようになりました



限られた人生の中で

子どもであり、妻であり、母であり、ひとりの人間であり・・・

その時、その時の自分の役割を演じていく



人生って、よく考えると

自分が主人公の舞台に似ているね

# by sawayaka37 | 2009-05-23 06:39

心を見つめて

4月から、認知症で一人暮らしをなさってる
93歳の男性利用者さまのお宅を訪問しています

その男性のお宅へは
複数のヘルパーが訪問しているのですが
4月から朝のサービスも追加になったため
私も担当ヘルパーとして訪問するようになりました
追加の理由は、薬の飲み忘れが多いため
内服の確認と検温をするためです

とても気難しい方なので
担当になったヘルパーは、例外なく怒鳴られっぱなしです
茶碗の置き方ひとつ、言葉遣いひとつ
気に入らなければ罵声、癇癪玉がとんできます

しかし、先月末に長期入院していた奥様が他界されてからは
人が変わったように、すっかり気落ちされてしまいました

奥様が入院中は
「どうせ助からないのなら、早く死んだほうがいいのに。
家族が一番大変なんだから」
と、辛辣な発言をなさっていたのですが・・・

毎朝、お線香に火をつけてお参りをして
お花の水替えをなさった後
ぼんやりと宙を見つめておられることが多くなりました

そして突然、家中の引き出しをあけて
探し物をなさったり
物盗られ妄想が酷くなって
ヘルパーのせいにしたりなど情緒が不安定になってこられました

「ずっと意識がなくて、死んだようなものやったし
死んだってさみしくないと思っていた
だけど、本当にいなくなってしまうと寂しいものなんだな・・・」

利用者さまの心は
ご本人が思う以上に深い悲しみを負っていたのでした

先日、娘様が、心配して帰省されていたのですが
まともに会話も出来ずに喧嘩ばかりなさっていたようです
娘様は、私の前で涙を流しながら
胸の内を明かされました

「父は昔から横暴な人で、弟と私はいつもびくびくしていました
本当に、思いやりのかけらも無い人なんです
こんなに(認知症)なってしまっても
自分の言いたいことだけ言って
家族や世話になっているヘルパーさんまで傷つけて・・・
父があんな性格だから、母だって病気になってしまったんです」

「私が心配して帰ってきても、父はその思いをわかってくれません
私なんかいなくたっていいんです」

娘様の目から涙が溢れ出し、止まりませんでした
まるで親の愛情を乞う
寂しい子どものような表情でした

私は娘様に
「どうかゆっくり休まれてください
ヘルパーはみんなお父様のことを理解していますので
安心して任せていてください」
と、だけ言いました

娘様の目から涙は止まることなく
すみません、ごめんなさい、を
繰り返されるだけでした

心を通い合わせることって、難しい
だけど、心の痛みを分かち合うことなら出来るかもしれない

心を見つめながら
そっと寄り添っていきたい

この父娘の心が
いつか、あたたかな風に包まれますように・・・

# by sawayaka37 | 2009-05-08 23:58
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山を登るようにゆっくりと


by sawayaka37
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