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障害者支援の行方

今日は障害のある方の
通院の介助に行ってきました

最初の顔合わせだけ
社員が同行してくれることになり
待ち合わせて、利用者さまの自宅へ・・・

利用者さまの玄関前に到着するわずかの時間に
情報の伝達・引継ぎが行われました

「立位保持が困難なため
片時も目が離せない・手も離せない」

「ご本人さまの要望で
腕をガッシリと組んでほしい
そう、カップルのように、ぴったり寄り添って」

「バスを乗りついで行くので
支払いの時に転倒しないように留意すること」

「いつでも背後から
ガッシリ支えられるような体勢をとること」


多少の不安はありましたが
そんなこと言ってはおられません
私の仕事は、利用者さまを安全に病院まで連れて行き
無事に戻ってくることです

そしてご本人様と対面
利用者さまは長身でスリムで長髪の
おとなしい感じの中年男性でした
私が新顔のせいでしょう
やっぱり不安げな表情を隠せません


「よろしくお願いいたします!!!」


自信に満ちた笑顔でご本人様にご挨拶しました
安心していただきたかったので^^

そして本人様も
か細い声で「よろしく・・・」と返してくださいました
しっかり腕を組み 密着させ
早速、介助の始まりです

(安心してね、絶対アナタを転ばせないよ)

無言のメッセージを組んだ腕を通して送りました
とにかく安心してもらいたいから・・・

ゆっくり杖で歩行される利用者さまと
バスを乗りついでの外出介助
今日は風もさわやかで
歩くには気持ちのいいお天気でした

そして
ぽつり ぽつりですが
いろんなことを話してくださいました

数年前、傷口からのウイルス感染で
脊髄に異常をきたしたこと
生死をさまよった結果、歩行ができなくなってしまったこと
「一生車椅子の生活です」
とドクターに宣告されるが
一年半かかって杖歩行ができるようになったこと

話に夢中になって
うっかり腕の力が緩んでしまうと
利用者さまを危険な目にさらします

バスを乗り継ぐために、信号を渡るのですが
青になってから すぐに渡り始めても
信号が途中で赤に変わってしまう

いらいらしている車を見ないふりして
私たちは堂々とゆっくり歩きました

病院へ到着し 薬の処方を待つ間も
ぽつり ぽつりですが
いろんな話をしてくださいました
そして衝撃の事実を知ることになりました



「僕はね、前のヘルパーステーションから
突然クビをきられたんだ
障害者の移動支援はできなくなったからって・・・」



「そんなひどいこと・・・」


「あるんだよ、障害者は死ねって言われているようなもんだ
結局、高齢者の介護の方がもうかるんだろうな」




胸がきゅっと痛みました
そう、支援する立場の者が投げ出してしまえば
障害の方たちはどうすることもできないのです
この利用者さまは どれだけ不安な思いにかられたことでしょうか

事業所の都合によって
障害者の支援が打ち切られてしまうのは
珍しいことではありません
実はウチの事業所でもありました
そのたびにやりきれない思いが波のように押し寄せます

「僕は誰かが傍にいてくれないと
どこにも行くことができないんだ」


彼の言葉に胸がえぐられるようでした
そこまでの思いに到達するまでに
どれだけの葛藤があったことでしょうか

せめて せめて一日でも長く
この利用者様の支援が続けられたら・・・と
心から思いました

高齢者・障害者の支援は
この先どう変って 何処へ行こうとしているのでしょうか

by sawayaka37 | 2008-09-23 22:47 | 訪問介護
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山を登るようにゆっくりと


by sawayaka37
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